著書『前例がない。だからやる!』書評|アサヒビールはこうして始まった

誰もが知っている有名企業でも元祖を辿ればお金がない中で創業者自らがコツコツと商品やサービスを発明し、お客さんを増やしていく過程というものがたくさんありますよね。

私は成功されている方々の自伝を読むのが好きなのですが、どこが特に面白いかと聞かれると創業期のエネルギー溢れる泥臭い努力をしているところが好きだったりします。

これから経営を始めて成功を収めたいと思っている方にとっては、成功している自分をしっかり思い描くことが大切だと思います。「アイデアのヒント」でも書かれているように、自分ができると信じることができればその時点で既に7割は成功しているらしいです。しかし、その成功の過程には血の滲むような努力が必要で、そこを飛ばして成功しているところだけをイメージするのはただの妄想です。大切なのは、現在の自分から成功している自分までの過程も踏まえてイメージをすることです。人間の本質として今を見つめるのは嫌う傾向にあるのですが、そこは嫌がらずに今の自分ともしっかり向き合ってくださいね。

『前例がない。だからやる!』 書評

前例がない。だからやる! 書評

さて少し前置きが長くなってしまいましたが、今回おすすめする本は樋口廣太郎氏の「前例がない。だからやる!」です。

スーパードライでおなじみのアサヒビールを生み出した著者による、アサヒビール創業期のお話です。1980年代のビールといえば、キリンが独占状態でした。しかしそれから30年ほどたった今では「ビールといえばアサヒ!」という方も多くなっているのですから驚きです。この30年の間で、どのような考え方と方法をもって、どのような成長曲線を描いてきたのかが書かれている本です。

圧倒的なシェアを誇る大企業がいる中で立ち上げの企業がそこへ立ち向かっていこうと思っても誰もが諦めてしまうのではないかと思います。キリンビールという超巨大企業が既に出来上がっている状態で、当時は零細企業だったアサヒビールがそのシェアに切り込んでいくまでの方法と熱意は全てのビジネスマンに何かしら得られるものがあるのではないでしょうか。

個人的に特に印象深かったポイントとしては、「商品品質の考え方」と「経営責任の所在」です。少しネタバレになってしまいますが、アサヒビールが躍進した大きな理由の一つとして商品品質へのこだわりだと感じました。商品を製造する工場に対しては利益管理をする必要は一切なく、とにかくいい商品を作ることだけに専念するように指示しているのです。一般的な企業では、工場に対して仕入れはいくらで売り上げがいくらと採算が取れているかを確認するものですが、アサヒビールの場合は利益管理などは工場がする仕事ではなくとにかく良い商品を作ることだけに専念させて、役割をはっきり分担させたことで人気の商品を次々と生み出せたのだと思います。

この本の特徴として、考え方以外にも具体的に経営手法やお金の使い方なども書かれているので、時代は違えどこれから経営を始める方にとっては心構えと経営学の両方の参考になるかと思います。

また、この本も絶妙なたとえ話を盛り込んで説明をされるので頭に残りやすいです。
難しい言葉も使われておらず、商品も私たちに身近なビールとあって理解もしやすく、まだ読書を始めたばかりという方にも非常に読みやすく、かつ参考になる本だと思います。200ページほどで文字も大きめなので集中して読めば3時間程度で読み切れるのではないでしょうか。

とにかく本当におすすめの一冊ですので是非ご一読ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です